腹壁(ふくへき)ってなーに
腹壁ヘルニアの患者様、ご家族向けコンテンツ提供のお知らせ
「ヘルニア倶楽部」では、「そけいヘルニア」を中心に情報提供させて頂いておりますが、今回は、「そけいヘルニア」以外の「腹壁ヘルニア」という疾患についての話題と「腹壁ヘルニアの治療」についてお話していきたいと思います。腹壁ヘルニアを説明するにあたり、「そけいヘルニア」、「その他腹部で発生するヘルニアの話題も触れていきます。非常に奥の深い話題ですので、シリーズ化して、順次、「ヘルニア倶楽部」上で公開していきます。
「腹壁ヘルニア」というちょっと複雑なテーマを、患者様、ご家族の皆様向けの用語を用いながらイラストで解説し、少しでもわかり易く情報提供するのには、非常に高い専門性が必要となります。そこで、ヘルニア手術の臨床経験が豊富で、ヘルニアに関する学術論文を多数発表されており、研究会、学会等でも大変ご活躍中の前 社会福祉法人 三井記念病院 消化器外科 医長、現 医療法人 社団俊和会 寺田病院 外科 部長 堀 孝吏先生にお願いし、何度も校正を重ねてきました。この度、「腹壁ヘルニア」をテーマとした、新たな情報の公開の目処がつきましたのでお知らせをします。では、堀先生お願いいたします。
2009.2月 ヘルニア倶楽部 管理者
前 社会福祉法人 三井記念病院 消化器外科 医長
現 医療法人 社団俊和会 寺田病院 外科 部長 堀孝吏先生
はじめに
腹壁ヘルニアを理解するにあたり、医学で用いられる用語は一般的でなく、分かりにくいと思いますので、最初に医学用語の説明を少し行い、医学的な“おなか”理解していただいてから“腹壁のヘルニア”の説明に移ってゆきたいと思います。
腹壁(ふくへき)ってなーに
“おなか”といわれると漠然とおへその周りのことと思いがちですが、腹壁のヘルニアを理解するためにはもう少し専門的な理解が必要です。まず、専門家は“おなか”という言葉を使いません。これは、医学的にはっきりとした取り決めが無いためです。代わりに似たような言葉でよく用いられるのが“腹部”という言葉です。“腹部”という言葉は“胸部”という言葉の対語として用いられます。腹部は胸部と横隔膜で仕切られます。横隔膜というのは内臓筋肉の一種で、自分の意思では動かすことができませんが、呼吸を助ける重要な筋肉です。この横隔膜は肝臓の上を覆うようにあり、背骨・肋骨・胸骨といった体を構成する骨に付着していて腹部と胸部の境界を作っています。この横隔膜よりも下側(足側)の部分で足のつけねよりも上側(頭側)を腹部と呼びます。腹部の外枠は、皮膚、皮下脂肪、筋肉、筋膜によって形成され、内側を腹膜という薄い膜で包まれています。このようにして作られた腔(これを“腹腔(ふくくう)”と呼びます)にいわゆる内臓(肝臓、胃、十二指腸、小腸、大腸などの消化器官など)を納めています。細かいことを述べると、泌尿生殖器(腎臓、尿管、膀胱、子宮、卵巣)やすい臓、結腸・直腸の一部などは正確には腹膜の外側で筋肉との間にあります。(図1・2)
図1 腹部臓器の位置関係
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図2 断面での模式図

まとめると、腹腔とは、肝臓、胃、十二指腸、小腸、大腸などの消化器官や腎臓、尿管、膀胱といった泌尿器官、さらに女性では卵巣、子宮といった生殖器官をおさめこれらの臓器を守り支えている部分ということができます。
**参考**医学的には、「腹腔(ふくくう:体腔のうち横隔膜より下の部分で、腹膜に覆われている。)を取り囲んでいる組織で、皮膚・皮下脂肪・筋肉によって構成されている。腹部内臓の保護のみならず呼吸や排便排尿の補助を行う役目を担っている。専門的には腹壁を4または9区分して部位を表示する。」という説明になります。(図3)
図3 腹壁の医学的な区分
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【腹壁ヘルニア】 1 2 3 4 5 6 7 8 9
キーワード: 腹壁瘢痕ヘルニア, 上腹部, 鼠径部, 側腹部, 泌尿器, 腹腔, 下腹部, 腹壁ヘルニア, 鼠径靭帯, 腹壁関連する記事



